ノリ、コンブ、わかめ、ひじきなど日本人の食卓に欠かせない海藻類。
日本では、縄文時代の遺跡からたくさんの海藻類が発見されているほど、古くから食されてきた大切な食材です。
このことは、南方から来た日本人の先祖が海岸に住み、海が食べ物を得る場だったことを物語っています。
日本の暮らしに多大な影響を及ぼした古代中国人も海藻は知らず、大陸の狩猟民族は海藻を食べなかったようです。
しかし日本の古代国家・倭奴国(わのなのくに)が、魏の国にコンブを献上した記録があり、中国で不老長寿の薬として珍重されたことが記されています。
当時中国には、ヨードの欠乏による風土病がありました。その病に、海藻に含まれるミネラルが効果
を示したことで不老長寿の薬といわれるようになったのです。
海藻は他にも多糖類や植物繊維が豊富で、タンパク質も大豆並でビタミン類も多いという栄養素の高い食品。なかでも海藻のミネラルには、日本人にとって最も欠乏しやすいカルシウムや鉄分が多く含まれています。
海藻は、アメリカやヨーロッパではあまり好まれる食品ではありません。しかし近年では、アメリカのスーパーで健康食品としてシー・ベジタブルという名で注目されはじめています。