第2回 婚礼の献立
 久元年(1861年)亥九月廿八日(9月18日)。
 
 婚礼は正妻は江戸住まいと定められていたため、通常は江戸屋敷で行われた。臼杵において行われた記録は1回のみである。

 今回ご紹介する献立は、織部殿(後の十五代臼杵藩主、久通)と竹姫(十四代臼杵藩主、観通<あきみち>の妹)が臼杵において結婚したときの献立である。
 幕末であるため幾分簡略のようで、二汁三菜と引キテ、場所を変えて後段の料理、さらに夜食へとつづいている。

献立・硯蓋

 江戸初期から元禄のころまでは重箱に酒の肴を入れて出していたそうでが、のちにこれが硯箱の蓋を使うようになりました。
 硯蓋としては何種類かの肴を盛り合わせることが多い。ここでは「
黄身かまぼこ」「筏(いかだ)ごぼう」「くこかん」「鳫いもきんとき」「でんぶ」「木くらげせん」「青いりゆず」の七品です。

献立・鯛の吸物
 祝儀の献立にはたびたび鯛ひれの吸い物が出てくる。ひれを使うのは、生きた鯛をそこで調理した証拠と言うことです。
献立・魚田
 魚の「でんがく」です。
 豆腐や茄子、里芋などを使うことが多いのですが、魚を串に刺して焼き、味噌を付けた物です。