参考文献
臼杵の殿様暮らしと食
(大分合同新聞社)

 

第20回 年中行事と食べ物「病気見舞い」
献立
【病気見舞い】

イラスト 病気にはこどもの疱瘡(ほうそう)や麻疹(はしか)が多かった。とくに疱瘡で命を落とした者が多く、当時はひたすら祈祷をして快復を願ったのである。

 疱瘡には、赤い色のものが効くという風評があって、病室には紅絵をはり、夜具や衣類も赤い色のものを用いて子供の回復を願いました。また見舞いの品にも赤飯や赤い色のお菓子、紅の絵本などが贈られたそうです。
 疱瘡が治ると、酒湯という酒を混ぜた湯で幹部を拭くことが行われましたが、効能があるわけではなく、かえって疱瘡の流行をもたらしたと言われています。

 若者の病気も多く、雍通公につづく十二代尊通、十三代幾通公の十三人の子供のうち八人が、三歳を待たずに亡くなっています。