スペイン料理で、丸い金貨と呼ばれるお料理があるのをご存知ですか?それは、トルティージャという丸くて大きいスペインオムレツです。 スペインオムレツのはじまりには、さまざまな説があります。ひとつは、メキシコのとうもろこしの粉で作るパン=トルティーヤから来ているという説、もうひとつは中国の芙蓉蟹から来ている説です。 また、名前はメキシコ、姿形は中国から来ているという説もあり、由来ははっきりしていません。いずれにしても、オムレツをここまでにしたのは、スペイン人の腕があったからということになるのではないでしょうか。 オムレツというと、わたしたちがイメージするのはフランス料理の柔らかいオムレツ。しかしこのオムレツは、厚くて大きくて固いのが特徴です。食べ方もいろいろあり、薄く切ってパンにはさんでボカディージョというサンドイッチにしたり、小さく角切りにしてワインのタパ(おつまみ)にしたり、お腹が空いたときにはそのままおやつのように食べてもいいという具合。温かくても冷たくてもおいしいというタマゴ料理の傑作品です。 トルティージャは、地方や家庭によって入れる具にさまざまなバリエーションがあるのも特徴。具をあれこれアレンジして、”我が家のトルティージャ”を定番料理に加えてみてはいかがでしょうか。 |
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*具とたまごをかき混ぜる時は、あまりかき混ぜ過ぎるとふっくらと仕上がらないので注意。 『世界の食知識』は12 回シリーズの連載です。
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