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時は寒い冬。
鍋料理がおいしい季節です。 鍋料理はポピュラーな家庭料理ですが、 海岸部ではぜいたくに魚介を入れたり、寒い地域では味噌味だったりと地域色が出やすいのが特徴です。 地域性と関係があるのかどうかはわかりませんが、ここ数年、温泉地の旅館や和食のお店でよく鴨鍋をみかけるようになりました。鴨といえばこれまで、鴨のテリーヌや鴨のステーキといったフランス料理でしか馴染みがなかった食材です。 ところで、鴨の肉に2種類あるのをご存知でしょうか? ひとつは野生種の真鴨、もうひとつは交配によってつくられた合鴨です。合鴨は、真鴨にアオクビアヒルという日本種の肉食用のアヒルを交配したもの。アオクビアヒルは真鴨によく似ていて、味が良いことで知られています。 真鴨は、多くは渡り鳥で、秋からの狩猟のシーズンにしか手に入りません。 また、 そのほとんどは、高級フランス料理店や料亭などに売られています。そこで、広く鴨料理に使える食用の鴨として合鴨がつくられるようになったのでしょう。いうまでもなく、真鴨は飼育された鴨にくらべるとそのおいしさは比べものにならないほど。身が赤くて脂肪も少なく、独特の風味があります。真鴨を使った高級なお料理は、機会をつくってレストランや料亭でいただくことにしましょう。 12月に入ると、すぐにクリスマス。クリスマス料理の定番は七面鳥ですが、日本では七面鳥が手に入らないため、鶏肉で代用する人も多いのではないでしょうか。最近では、スーパーでも手軽に買えるようになった合鴨。 今年のクリスマスは、合鴨のステーキをつくっていつもとひと味違うクリスマスディナーと洒落込んでみてはいかがでしょうか。 |
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『世界の食知識』は12 回シリーズの連載です。
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