世界の食知識

vol.6 意外にもヨーロッパが原産のカブ
vol.6 イラスト  
  冬を代表する野菜に、カブを挙げる人は多いのではないでしょうか。

  京都名産の千枚漬けやお正月のおせち料理にカブの酢漬けをつくる家庭も多いかもしれません。
 子供の頃から寒い季節になると食卓に登場するカブは、日本ならではのものと信じていました。
 しかし原産は以外にもヨーロッパ。
 
 一部では西アジアという説もあるそうですが、ヨーロッパが有力のようです。  
 起源は古く、5000年も前から栽培されていました。
 今も世界中で栽培され、日本で も古くから重要な根菜として栽培が盛んに行われて来た野菜のひとつです。
 日本へは 縄文時代に中国から伝わり、持統天皇の時代(693年)に栽培を奨励した記録が残っています。当時はスズシロと呼ばれ、春の七草のひとつでもあります。千枚漬けやかぶら蒸しに使われる丸まるとした聖護院カブが有名ですが、品種は50種類にも登ります。
 大カブ、中カブ、小カブ、長カブ、赤カブなどに区別され、日本では京都をはじ め、岐阜県などで栽培が積極的に行われています。
 カブは葉にはビタミンAやC、根の方はビタミンCが多く含まれていてビタミンが豊富。甘みと風味があり、煮物や蒸し物、酢の物、漬け物といった和食だけでなく、フ ランス料理では、煮込みやポタージュなどにも使われています。

 日頃、和食として食卓でお目にかかるカブですが、時には洋風仕立てにしてひと味違うカブを味わってみ るのもいいものです。
■カブのファルシィ
《材料》  子カブ・・・・・・・・・5コ
      合挽き肉・・・・・・・・70g
      たまねぎ・・・・・・・・10g
      ニンジン・・・・・・・・5g
      チキンブイヨン・・・・・500cc
      バター・・・・・・・・・10g
      コーンスターチ・・・・・小さじ1杯
      パセリみじん切り・・・・少々
      生クリーム・・・・・・・100cc
      塩・コショウ・・・・・・適宜
《下ごしらえ》
   カブは洗ってから上下を少し切り取り、面取りする。
   まわりを5mmくらい残し、中心をくり抜く。
(1)
カブを塩を入れたたっぷりのお湯でさっと茹でる。
(2)
たまねぎ、ニンジン、くり抜いたカブをみじん切りする。
(3)
鍋にバターを溶かし、(2)を入れて炒め、ひき肉を加えてさらに炒める。
(4)
チキンブイヨン100ccを加えて煮、塩、コショウ、コーンスターチを入れる。
(5)
平鍋にチキンブイヨンを入れて沸かし、(4)のカブを煮る(この時、カブがあまり柔 らかくなり過ぎないように注意)。
(6)
カブの煮汁の半分を別の鍋に取り、5分の1くらいまで煮詰め、生クリームを加えて 一度沸騰したら、塩、コショウする。
(7)
のカブを鍋から取り出し、?の具を詰める。これを残りの煮汁であたため直してお皿に盛り、(6)のソースをかける。
(8)
仕上げにパセリを振り掛けて出来上がり。


『世界の食知識』は12 回シリーズの連載です。

※参考文献「食の文化話題辞典/ぎょうせい」「世界の料理辞典」「グルメの哲学/丸山学芸図書刊」「現代新百科辞典/学研」  
 
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