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ほうれん草はペルシャで栽培が始まり、15世紀以降に回教徒によって東は中国、西はヨーロッパへと伝えられました。
このため、ほうれん草には東洋種と西洋種の2種類あります。 西洋種は葉が肉厚で土臭いため、おひたしには向きません。 いっぽう東洋種は葉が薄く甘みがあり、根の部分の赤みが強いのが特徴です。 今では、この2品種の長所だけをかけ合わせたほうれん草が出まわり、ほとんどこの品種が占めるようになりました。 日本には江戸時代初期に中国から伝わり、アメリカへは19世紀初頭に普及し、1915年から缶詰めの製造がはじまったことで大規模な栽培がはじまったようです。 ほうれん草は、タンパク質に富んで栄養価が高く、葉緑素や鉄分、その他の無機成分、葉酸などを多く含んでいます。またビタミンAとカロチンはニンジンの2倍、ビ タミンCはレモンの2倍、ビタミンB1、B2、カルシウムなどを含み栄養素に優れた野菜です。 造血作用や酸性化を中和する作用もあり、冬季の健康増進にぴったり。 一時期、蓚酸(シュウサン)を多量に含んでいるため、たくさん食べ過ぎると腎臓結石に なる恐れがあるといわれていましたが、よく茹でることで大部分の蓚酸が除かれるため人体への影響はありません。 最近では、蓚酸がほとんどないサラダ用のほうれん草も栽培されるようになりました。 この品種は生のままサラダにして食べてもおいしいし、バター炒めにしてもおいしくいただけます。 |
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『世界の食知識』は12 回シリーズの連載です。
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