世界の食知識

vol.9 カレーは煮込み料理の総称
イラスト  
  ロシア料理の代表として知られるビフストロガノフ。
 
  ビフストロガノフはロマノフ 王朝の華やかかりし頃、エカテリーナ2世の時代にストロガノフ侯爵が晩餐会で供したお料理でした。
  これがパリの社交界で大変な評判になってのです。それ以後、フランス料理としても人気を博し、今日まで受け継がれています。

  ところで、ビフストロガノフの名前の意味を知っていますか?ビフストロガノフの ビフはビーフということで、牛肉料理の意味と思われていますが、実は違う意味なん です。
  ロシア語ではベフ・ストロガノフといい、ベフというのは○○流や○○式とい う意味。ですから、ビフストロガノフはストロガノフ流ということになります。
  ストロガノフ侯が試みた調理法というのは、肉を細かく切ってお料理に用いるということだったのです。
  伝統的なロシア料理は、ギリシャ正教の儀式と深く関わっていたが、スターリン時代に信仰が禁止され、その上、女性が仕事をするようになって料理のあり方が変わっ てしまったといわれています。
  ペレストロイカ以降、再び信仰が認められるようにな り、今では帝政ロシア時代を懐古する風潮とともに宮廷料理を掘り起こす動きが見ら れるようです。
■ビフストロガノフの作り方の作り方
《材料》 
   ◆ 牛フィレ肉      1kg
   ◆ 塩          適宜
   ◆ ブラックペパー    適宜
   バター        50g
    たまねぎ       250g
    マッシュルーム    6コ
    デミグラスソース   300cc
    サワークリーム    大さじ2
    ローリエ       1〜2枚
《作り方》
(1)
牛ヒレ肉のブロックを薄切りにして、繊維に対して直角に細かく切る。
(2)
細く切った肉に塩、ブラックペパーをすり込むようにしてよくなじませ、フライパンにバター30gを溶かし、ソテーする。
(3)
たまねぎとマッシュルームをスライスして残りのバター20gで炒める。
(4)
(2)にデミグラスソース、サワークリーム、ローリエ、塩、コショウを入れて5分く らい煮詰める。
(5)
(4)(3)を加えて肉にアジがなじむまで5分くらい煮て、味を整える。
* 付け合わせにサフランライスやバターライスを添えたり、ベークドポテトと一緒に食 べてもおいしくいただけます。

『世界の食知識』は12 回シリーズの連載です。

※参考文献「食の文化話題辞典/ぎょうせい」「世界の料理辞典」「グルメの哲学/丸山学芸図書刊」「現代新百科辞典/学研」  
 
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