世界の食知識

vol.9 カレーは煮込み料理の総称
 

  モロヘイヤという野菜を知っていますか?健康ブームと相まって登場し、ここ数年でよく耳にするようになりました。
  濃い緑色の大きな葉っぱといった感じの野菜です。

原産はエジプトで、古くからユダヤ人に食されていたようです。  
 
  この野菜がモロヘイヤと呼ばれるようになったいきさつには、興味深い話があります。

  その昔、エジプトの王様が病気で苦しんだ時、お医者さんがこの葉を使ったスー プを飲ませたところ、見る見る回復したというのです。以来、この野菜スープは「王 様のスープ」を意味する「ムルキーヤ」と呼ばれるようになり、しだいに野菜そのも のもムルキーヤと呼ばれるようになり、それが訛ってモロヘイヤとなったといわれて います。  

 この逸話どおり、モロヘヤの栄養成分には素晴らしいものがあります。葉菜類はホ ウレン草の栄養が飛び抜けて良いと言われていますが、モロヘイヤはカロチンは3倍、 カルシウムは7倍、ビタミンB1は5倍もあるのです。
  この野菜を日本に持ち帰ったのはエジプトに留学していた学者さんですが、近年で は四国等で栽培がはじめられています。熱さに強く、虫や病気がつかないということ で、無農薬で栽培できる頼もしい野菜なのです。

 一見すると、どういう風に食べればいいのか迷ってしまいますが、香りや味にくせ がないので、どんな料理でも大丈夫。生のままサラダにしたり、油炒めや天ぷら、葉 を刻むとねばりが出るのが特長ですが、ゴマ和えやおひたしなどでもいいでしょう。

■モロヘイヤかけ冷やっこの作り方
《材料》 
   ◆ 豆腐          1/2丁
   ◆ モロヘイヤ      5枚程度
   ◆ カツオだし汁     適宜
   薄口醤油       適宜
《作り方》
(1)
モロヘイヤとカツオだし汁、薄口醤油をミキサーにかけ、緑色のソースを造りま す。
(2)
冷やしたお豆腐に(1)をたっぷりかけると出来上がり。
* ロヘイヤを細く刻んでのせ、かつお節をかけただけでもおいしくいただけます。。

『世界の食知識』は12 回シリーズの連載です。

※参考文献「食の文化話題辞典/ぎょうせい」「世界の料理辞典」「グルメの哲学/丸山学芸図書刊」「現代新百科辞典/学研」  
 
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