参考文献
臼杵の殿様暮らしと食
(大分合同新聞社)

 

第12回 年中行事と食べ物「七夕・土用」

 七月七日は七夕である。

 星祭りともいわれ、七夕が近づくとまず笹竹や短冊を用意する。
日記には、大竹二本、小竹三本、縄、五色の紙を短冊やひょうたん形に切るなどと細かく記されている。

献立
【七夕の祝い膳】
七夕の祝い膳、一汁五菜、二の膳、麦飯の写真

 高層ビルのなかった時代であるから、家々の七夕飾りがたなびく光景はみごとだったということです。

 お供え物としては瓜、西瓜、素麺、餅、神酒、ほうずき、五色の糸、花などを用意してお供えしました。

七夕は五節句のひとつで御祝御膳が出され、家族みんなで楽しみました。昔も今もきっと「短冊にどんなお願いを書いたか?」ということが話題になったことでしょう。

また、七夕の日には素麺を食べる風習があったとされています。


献立
【土用・暑入り】
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 土用の入りに小豆三粒と生にんにくを食べる風習は、江戸時代化なりの地域でみられ、これを水で飲んで暑邪を払おうとしていた。

 この小豆が小豆餅に転じたようで、日記には小豆・にんにくのほかにあんころ餅を食べている。

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