参考文献
臼杵の殿様暮らしと食
(大分合同新聞社)

 

第14回 年中行事と食べ物「月見・重陽(菊の節句)」

 月見は八月十五日と九月十三日の二回行われていた。これは、一方だけの月見を片見月といって忌む習慣があったからである。

献立
【月見】

 八月十五日の月見を十五夜、九月十三日の月見を後の月見とか十三夜などという。
 八月の月見の供物にはいしいし(団子)、小芋、菜、迎豆など、後の月見にはいしいし、栗、柿、小芋など季節の品を用意した。
 月見の宴には、刺身、吸物、硯蓋などの料理が出された。家臣にも酒肴が振る舞われた。
献立
【重陽(菊の節句)】
菊の菓子の写真  九月九日は重陽の節句です。

 ちょうど、菊の季節であるから菊の節句ともいわれた。この日は五節句のひとつであり、菊の花を浮かべた菊花酒を飲んだ。
 祝儀に赤飯はつきものであるが、文化十四年(1817年)の例では神前、仏前、荒神など二十ヶ所へ供えている。
 御祝御膳にむかご飯が出されたこともあった。