酢は、酒造りとともに中国から伝えられた技術で、もともとは酒が酸化してできた調味料のことです。
「日本書記」にもハマグリのなますのことが書かれているように、 日本人にとっては古くから馴染み深いものでした。
各国にさまざまな酢がありますが、日本では主に米を原料にした米酢が使われています。
和食では、寿司や和え物などに使われ、なくてはならない調味料のひとつです。
その他にも、麦芽酢やりんご酢、ぶどう酢などが馴染み深い酢として知られています。
また、イタリアンブームの最近では、バルサミコ酢なども市場に出回るようになりました。
日本で使われて来た伝統的な酢には、2種類あります。
ひとつは酒から作られたかす酢。この酢は、酒かすに水を加えて熟成させたのち、ろ過して種酢を加えたものから造ります。
もうひとつの米酢は、蒸した白米を米こうじで糖化し、酵母でアルコール発酵させて酢酸菌を加え、1~3ヶ月のあいだ酢酸発酵を行わせて酢にするものです。
この2種類の酢が古来、日本で醸造されているもので味も美味しいとされています。
市場に出回っているものに合成酢というのがありますが、純酢酸を水でうすめて適当な調味料を加えたもので、醸造酢より品質は良くありません。
酢は殺菌作用や保存効果、食欲増進、減塩効果などがあり、調味料として調理に直接使う以外にも、さまざまな用途があるのをご存知でしょうか。
酸味の利いたお料理をつくるだけでなく、ちょっとした暮らしの知恵としても使ってみるといいでしょう。