朝半田さんが来てくれる。森さんまで同行。彼は森氏と談合の結果をもつて引つ返してきた。それによつて六百弱の敷地は借地であることが分かる。それにしては百万のいひ値は高すぎる感じが強いが、よくよく思へば、今畑にたちかけているあのマッチ箱のやうな家でも、坪2万かかるとすれば、建物ママで実質的にそれだけの値打ちはあるわけである。
私たちとしては土地がついているいないは大して気にならず、ただこの際生活に必要なだけの間数のある家を見つけ、生活を気持ちよく整理されればそれでよく、その必要がなくなれば売つてもよいわけと思ふ。
しかし半田氏らの手がたい考へ方には、それはピンと来ないらしい。三枝子の帝銀株の払ひ込についても相談をして見た。
父さんははじめて洋服を来(ママ)て、S、とYとつれだち、新東宝のスタヂオでの「真知子」の試写に見に行つた。さう疲れもしなかた。
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